2日目。
昨日の天気とは打って変わって雲ひとつない快晴。風もなく絶好の野外日和。常磐公園では8時から常磐朝市として6ブースが開店。10時からは常磐公園芝生広場では常磐マルシェが開店することもあって、人出が早くから見られた。同じく10時より常磐公園噴水前広場では先日中止となった「常磐公園トラベリング・カーニバル」がスタート。大道芸人あまるによる説明の後にパフォーマーたちが代わる代わるパフォーマンスを披露していく。ソーシャルディスタンスを意識しながら参加者を巻き込んでいく。コロナ禍により、以前と同じように観客とコミュニケーションすることは難しいが、それだからこそコミュニケーションはより求められていると言えるだろう。
あまるは今回のプログラムのなかで観客参加型の新しいプログラム『あそviモーメント 〜アタリマエの日常に祝福を〜」を試みた。大道芸人たちの動きをマイムのように真似て体を動かすエクササイズ系のパフォーマンス。コロナ禍で運動不足な身体が春の太陽に照らされながら、少しずつ息を吹き返していくような、そんな時間を生み出していた。
日曜日だけのプログラムとしてクレジットされていたのが、関連イベントCCCMV(ミュージックヴィデオ)プロジェクト。「コロナ禍の静岡を応援」するCCC企画として静岡のパフォーマーとクリエイターがコラボレーションして創り上げたミュージックヴィデオ。そのお披露目とライブパフォーマンス、ポストトークが行われた。出演はSPAC-静岡県舞台芸術センター所属俳優宮城島遥加。今回初めて歌手として撮影に臨んだ。ライブパフォーマンスでは曲に合わせて歌詞を台詞のように語ってみせたが、さすがに舞台俳優の力量を感じさせた。ロケ地の三保松原海岸での撮影は真冬の夜明けに行われ、薄着での撮影が辛かったというエピソードなども披露し、終始和やかな様子はこのプロジェクトチームの一体感を表していたように思う。午後にも再演があった。
前日に続き熊谷拓明ダンス劇『ひどく晴れた静岡で』の3回目を上演。タイトルと同じような晴天のためか、来場者の入りは早い。感染症対策のため、劇場は25名限定である。主催者としては出演者観客双方に申し訳ない気持ちにもなる。この素晴らしい舞台を少しでの多くの方に観て頂きたいのだが心を鬼にして満員後の来客にお断りを入れる。三度目も静岡愛溢れる舞台に。終演後には多くの方に称賛の声を頂いた。去年の初夏にオファーをしたがコロナ禍の状況も刻々変化し、当初のシナリオからはまったく違うものとして着地した。そのままならなさがあったはずだが熊谷は愚痴をこぼすでもなく、淡々と準備しながらこの日を迎えた。飾りなく日常を過ごすダンサーは舞台の上でも飾らなかった。私たちは彼の踊りを観て、言葉を聴きながら、その日常への疑いのなさに安堵し勇気をもらった。これは彼なりの静岡人へのエールだったのだ。
「3/14 レビュー その2」へつづく。。