The Carnival – 獣害リサーチプロジェクト

七間町ハプニング5 演目02
The Carnival – 獣害リサーチプロジェクト

静岡市における獣害状況をリサーチし、本公演では、とくに鹿に焦点を当てて、この獣害問題をパフォーマーと関係者の協働によるプロジェクトとして取り組み展覧会とレクチャー、パフォーマンスで多面的に表現する。

ツアーパフォーマンス
会場:静岡市上下水道局ピロティ (Google Map) → 常磐公園(Google Map)
時間:3/13(土) 14:00 – 15:30、14(日) 14:00 – 15:30

1、始まり レクチャー(小杉山助教授と俳優であり猟師でもある山崎氏による)
2、移動 ピロティから常磐公園へ(山崎氏のガイドあり)
3、目撃 猟師でありスタジオジビエ主宰澤野氏による鹿解体(擬似)パフォーマンス
4、舞踊 食べることへの考察。「いただききます」という小さなカーニバル。

展覧会
会場:CCC 1階ギャラリー(Google Map)
(展覧会は期間中いつでも閲覧可能)

出演者:山崎皓司(俳優、猟師)
遠藤綾野(振付家・ダンサー)
日原奈緒花(ダンサー)
澤野宏史(ハンター、スタジオ・ジビエ主宰)
小杉山晃一(常葉大学社会環境学部社会環境学科助教授)

The Carnival – 獣害リサーチプロジェクト

 近年、獣害に関するニュースを耳にすることが増えた。鹿や猪、時には熊も山を降り里山の民家や畑、さらには街にも出没することを伝えている。本来なら滅多に出会わない獣と人。その接触が望ましくない形で生じているのは何故だろうか。それだけに止まらずとくに鹿の生息域拡大は深刻な環境破壊を引き起こしているということだ。
 「The Carnival – 獣害リサーチプロジェクト」では、とくに鹿に焦点を当ててこの獣害問題をアートプロジェクトとして取り組み展覧会とパフォーマンスで成果を発表する。日本各地に伝わる「鹿踊り」に見られるように、鹿は古来の日本社会では神の使いとしても敬われていた。それは信仰の対象としての「山」に住む象徴的な獣だったからであろう。同時に鹿は貴重な食料として人間にその肉(いのち)を差し出してきた。こうして私たちの生と密接に関係してきた鹿もいまや害獣と呼ばれている。
 カーニバル (carnival)は謝肉祭と訳される。その語感から本来は神聖で厳格な祭事、神事を想像するのは難しくない。しかし現代では単にお祭り騒ぎのようである。生(せい)の交換を象徴するというより娯楽の象徴だろうか。ただ、それでも私たちは目の前の肉/命を食することで生きながらえている事実は変わらない。そう考えると「いただきます」の発話は、日々の小さな/ささやかなカーニバルとも言えるのかもしれない。
 鹿と私たちの過去と現在の関係性を見つめることによって浮上するものとは。展覧会、レクチャー、パフォーマンスなどによって構成するプロジェクトを通してその先(あるべき未来)を考えていく。

[ プロフィール ]


山崎皓司(やまざきこうじ)
1982年静岡県掛川市生まれ。
劇団「快快(FAIFAI)」のパフォーマー。
2019年から活動拠点を静岡県掛川市に移し、現在は百姓を目指して、俳優、狩猟、農業、養蜂等をしながら、持続可能で皆が幸せに暮らせる生活を模索中。


遠藤 綾野(えんどうあやの)
8歳よりクラシックバレエをはじめる。佐多達枝・河内昭和に師事。師事する佐多作品に01’〜11’まで出演。東京文化会館、新国立劇場、東京芸術劇場など主要な舞台に立つ。またオペラ等の振付も行っており首都オペラ、愛知祝祭管弦楽団などの公演で振付を担当。自主公演などでは代表作「春の祭典」を始め小作品含む30作品以上を発表。16’より静岡に拠点を移し「七間町ハプニング」やSpac(静岡県舞台芸術センター)のアウトリーチプロジェクトなどで振付,出演をしてきた。